■ゲーム:モンスターハンター ▼
ヤマモモヤマ
ここで初めて書くヤマモモヤマです。よろしくお願いします。この小説は、作者が「こんなだったらいいな〜」という気持ちで創ったものです。お暇な時に読んでくだされば本望です。
[W51SA RUNrU]
-2007 10/27 23:31
(516)ヤマ*゚ー゚)ヤマ ハイパーポチポチタイム!
キリンさんの持つヘヴィボウガンの銃口から煙が立ち上ぼり、火薬の匂いが優輝の鼻をつく。
キリンさんは、発砲による反動など無いかのように手早くボウガンを折り畳む。そして、展開時の半分程の大きさにして、優輝に差し出した。
<これが、対飛竜戦においての最強の武器だ>
剣なら剣、槍なら槍、銃なら銃。
武器にはそれぞれ、得意とする距離がある。
短・中・遠距離、どれが一番とは一概に言えはしない。
無類の強さを発揮することもあれば、石ころほどの役にも立たないこともある。
一個の武器に頼っていればそうだろう。
ならば、複数の武器を持てば……?
しかし、如何せん重量、数量等の関係で余り現実的ではない。
<現実的でないということだったら、これ程ぶっ飛んだものは存在しないがな>
相手によって、どんどん有利な武器へと変える。
いうなれば、メタモルシェイバー。
それは、じゃんけんで常に後出しをしているようなものだ。
<ま、馴染んだものの方がいいかな……?>
キリンさんがボソリと呟くと、二人の間にあったボウガンは光輝き、一瞬のうちに元の無骨な鉄の大剣に戻っていた。
[W51SA RUNrU]
-2010 08/18 01:09
(517)ヤマ*゚ー゚)ヤマ ハイパーポチポチタイム!
提示されたのは、戦うこと。
与えられたのは、戦う術。
<行ってくれるだろう?>
キリンさんが浮かべたのは、何処か影のある笑み。
紡ぐ言葉は何処までも酷薄で。
渦中にわざわざ飛び込めと、そう言っているのだ。
一面を見れば、世界を救う為に、然るべき準備物を渡して、然るべき説明をして、送り出しているのだろう。
だが、側面を見れば、ただ面倒事を押しつけているだけである。
勇者は、世界を救うその瞬間まで勇者ではないのだ。
ハイリスク・ノーリターン。
何の旨味も、得もない。
それでも、
「……わかった」
優輝の出した返事は、肯定だった。
用意されている筋書きなど存在しない。
テレビに映っていた飛竜の威圧感を忘れたわけでもない。
二回倒れる事の出来る余裕などある筈もない。
負けることは許されない、背水の陣。
賭けられたものは世界。
ヒーローなんて華やかなものではない。
もっと泥臭く、醜い役であろう事は間違いない。
優輝がアイアンソードを受けとると、キリンさんは安堵の息を漏らした。
<御武運を……>
そうして取り出したのは、何度も目にした羊皮紙だった。
【運命】
[W51SA RUNrU]
-2010 08/18 01:53
(518)ヤマ*゚ー゚)ヤマ ナツモオワリマスネ
────────
─────
──
世界が崩れていく。
何処までも広がりのある世界が。
見渡せど果てのない世界が。
まるで型を抜かれたかのように消失していく。
そこから覗くのは黒。
夜を更に濃くしたような黒だった。
砦も、山の如く巨大な竜も、自分の身体でさえも全て黒に染まっていく。
その中でただ一人、黒に呑み込まれずに存在している人がいる。
その人は自分の愛情を向けるべき人で。
その人は自分が何を於いても優先すべき人で。
その人は自分の全てを捧げるべき人で。
堪らず手を伸ばす。
緩やかに、けれど確実に崩壊していく世界で、隣にいる人の手を掴むという行動は酷く鈍かった。
「優輝さん!」
悲鳴にも近い声をあげる。何故だろう、もしかすると二度と会うことが出来ないのでは、という考えが頭を過ったからかもしれない。
彼の言葉を疑う訳ではない。
しかし、こんな状況で悠長にそんな楽観視が出来る筈もない。
「────っ!」
彼も手を伸ばしてくれた。
声こそ聞こえはしなかったが、口の動きでわかる。
それは自分の名前。
呼んでくれる、それだけで涙が出そうになってしまう。
伸ばした手は、遂に届くことはなかった。
[W51SA RUNrU]
-2010 08/31 13:29
(519)ヤマ*゚ー゚)ヤマ アキハクルノデショウカネ
何も見えない。
繋がりは絶たれ、全ては黒く染まった。
いくら目を凝らそうと、その目が何かを捉える事はない。
ふわふわと宙に浮かんでいるような感覚と言えば聞こえはいいだろうが、ただ手にも足にも触るものがないだけである。
周囲の状況を教えてくれるものがないのだから、今彼女に、自分がどうなっているかなどわかるはずもない。
落ちているのか、昇っているのか、留まっているのか。
やがて自分と周りとの境界線が曖昧になっていく。
瞼を閉じたように何も見えず、自分の位置すら確保が出来ない。
「────」
なんと、声すら出せないのか。
腕を振っても、足をばたつかせても、というより本当にそれらをしているかどうかもわからない。
身体の内側からじくじくと嫌な感覚が沸いてくる。
それは小さな羽虫のように。
ばらばらに。
這いずり回り。
駆けずり回り。
例えば背筋をなぞったり、下っ腹の辺りに溜まったり、顔全体を覆ったり。
「…………」
叫びたいのを堪える必要はない。何故なら誰も聞く者がないのだから。
最も、声などだせないのだが。
[W51SA RUNrU]
-2010 09/06 08:06
(520)ヤマ*゚ー゚)ヤマ←アキダイスキッコ
精神を鑢でごりごりと削りとられていく。
そんな感覚。
だというのに、発狂する兆しすら見えないのはどういうことか。
やはり彼女も電子生命体ということか、それとも……。
彼女の頭の片隅に、例えどんな状況だろうと"一つの条件"さえなければ、何も歯牙にもかけない絶対零度のように底冷えのする冷徹な自分がいる。
一つの条件、それは彼がいること。
彼のために生まれ。
彼のために生き。
彼のために死ぬ。
それが彼女の存在理由。
全てに於いて、まず優先すべきは彼である。
きっと、また会える。
永遠の黒はやはり、何処までも黒く、何も見えない。
しかし、それでも構わないと彼女は思った。
煩わしいものなど、最初から見えなくてもいい。
彼だけを見て。
彼だけを触って。
彼だけを感じられたら。
ああ、何と素晴らしい事だろう。
彼の言葉は何より正しく、何より優しく、何より気高い。
それは彼女の全ての指針である。
会えるというならそうなのだろう。
そうでないなら会いに行く。
頭に浮かぶは彼の顔。
いつものように笑ってて、それが何より好ましい。
そうして彼女は、束の間の眠りに意識を手放した。
[W51SA RUNrU]
-2010 09/06 08:38
前[*] | 次
全て表示
最新5件表示
指定コメント表示
コメントする
表示回数(58342)
◆TOPICS
◇お話@館